October 23, 2010

シリコンバレーの見所は



日本からシリコンバレー訪問にやってくる方に、何処が見所ですかと質問されることは多いが、Paul Grahamのブログに彼の推薦する見所が紹介されていた。シリコンバレーは物見遊山目的で来るには相応しくないところだが、出張や勉強が目的で来ても見所は気になるものである。

1. スタンフォード大学 (Stanford University)

2. ユニバーシティ・アベニュー (University Avenue)

3. ラッキーオフィス (The Lucky Office)

4. オールド・パロアルト (Old Palo Alto)

5. サンドヒル・ロード (Sand Hill Road)

6. カストロ・ストリート (Castro Street)

7. グーグル (Google)

8. スカイライン・ドライブ (Skyline Drive)

9. ハイウェイ 280 (280)

解説は原文を参照していただきたいのだが、以下、ちょっと説明を付け加えておく。

ラッキーオフィスとは、2番目に推薦されているユニバーシティ・アベニューというパロアルト市の目抜き通りの165番地にあるオフィスビルのことである。Logitech、Google、PayPalなど、大成功した企業が起業した当初このビルにオフィスを構え、会社の事業がトントン拍子に上手く行き、社員の増加にともなって他のもっと大きなオフィスに引っ越すというパターンが定着しているので、縁起のよいビルとして知られている。日本の六本木にある、言わずと知れた例のビルと対照的である。

もともと、このラッキーオフィスはAmidiさんというイラン人の移民一家が1988年に購入したものだ。Amidiさん一家はユニバーシティー・アベニューで絨毯屋を営んでいたが、商才に長けており、ラッキーオフィスビルのオフィスをPayPalなどに貸出するときにも、そうした企業の成功の可能性を鋭く見込み、投資をして財を成した。周辺のオフィスビルも次々と購入してスタートアップに貸してビジネスを展開しているようだ。詳しくは、こちらこちらのサイトに写真や動画付きの記事があるのでご興味のある方はどうぞ。

Paul Grahamも指摘するように、ユニバーシティ・アベニューのような繁華街で食事をして人に会い、またすぐに仕事に戻れる環境は重要である。オフィスビルと繁華街がほぼ必ず密接して構成されている日本の街の事情からは想像しにくいかもしれないが、シリコンバレーの仕事環境ではむしろオフィスビルに独自のカフェテリアがなく、徒歩で行けるところにレストランもない場合が大半。

そうなると、車で昼食を食べに行くことになり、油断していると1時間半や2時間がすぐに経ってしまう。だから、Googleのように社内に無料の食べ物を用意しておくのはとても合理的なことなのだ。夕食も会社で無料で食べれたり、オフィスを出てすぐの場所で食べることができれば、食後仕事に戻る人が多くなる。こう考えると、ユニバーシティ・アベニューのオフィス賃貸料が高沸してしまった今、マウンテンビューの繁華街であるカストロ・ストリート周辺にスタートアップのオフィスが増えていることは理解できる。

4番目に紹介されているオールド・パロアルトというのは、シリコンバレーの中核であるパロアルト市髄一の高級住宅街。歴史的な建物に混じって、モダンなデザインの大豪邸が建ち並んでいるので建築好きな人は行ってみるとよいと思う。私は建築を見るのが好きなので、このエリアを散歩コースにするのがとても気に入っている。健康のために始めたウオーキングだが、トレイルに行くよりもオールド・パロアルトの方が何マイル歩いても飽きないぐらいだ。つたの絡まるレンガ造りの館の立つ庭園をさりげなく覗き込むと、ドレスデンの焼付人形のような女の子が噴水の影で遊んでいたりして、ちょっとした別世界が垣間見れる。

280は私も大好きなハイウェイ。湖があったり牛が草を食べている牧草地が見えて美しい景色が楽しめる。天気のよい日にここを車で走るのは最高の気分である。サンノゼからサンフランシスコに車で移動する場合、ほぼ平行して走っているハイウェイ280かハイウェイ101の選択があるが、自然豊かな280がやはりよい。101はPaul Grahamも指摘するように「ugly」であるがオラクルなどのハイテク企業も脇に見えたりするので、始めて来る人は行きは280、帰りは101というのもよいかもしれない。

シリコンバレーに来て何をする?

シリコンバレーに短期滞在で来て、さらに人に会ったり勉強したりするにはどうするのがよいかというのもよくある質問だが、JTPASVJENなど日本人団体のイベントは数に限りがあるし、日本人ばかりとネットワーキングするのも面白くない。だから、現地の人たちとも交流するためにはEventbriteMeetupで興味のあるイベントを探して参加するのをおすすめする。Eventbriteはテクノロジー、ビジネスの大規模なイベントやキャリアフォーラムが中心。Meetupはもう少し小じんまりととした、例えばiPhoneプログラミング勉強会のようなものが中心だ。GoogleやFacebookのキャンパスが会場になっていたり、こうした企業が主催するセミナーもある。無料で参加できるものも多数あるので積極的に利用したい。

何処に泊まるか?

最後に、泊まるところについて。ホテルが最も手軽だが、若い学生さんなどアメリカ人と英語の話せる環境で安価にスティできる方法はないのかと聞かれることがある。この間、そうした質問をしてきた学生さんにはcraigslistのsublets/temporaryなどのセクションで探してみたらと提案したところ、うまくホストファミリーが見つかったそうだが、前回のエントリーにもあったY Combinator出資のスタートアップAirbnbのサービスで探してみるのも面白そう。

AirbnbのサイトをPalo Altoで検索してみたら、自宅のロフトにベッドを用意したので一泊$30だとか、ソファベッドかエアーベッドで一泊$45だがゲストも一人$10出せば泊まれる、などの格安プランが見つかる。$200程の値段では、素敵な暖炉やキッチン付きのコテージが借りられる物件など、ホテルより居心地がよさそうだ。面白いものでは、"Mountain View Hacker House"というものもある。詳細には「一泊$50、寝袋と枕をもってくれば我が家の居間で寝泊りOK。Y Combinatorに出資をうけたファウンダー、元インターン、Facebookファンドの従業員が住んでいます。」とある。各エントリーには、実際に宿泊したことのあるユーザからのレビューもあるのが安心だが、もちろん、こうしたサイトを利用しての宿泊にはリスクも伴なうのでトラブルには十分ご注意してください。

今回はこんなところで。

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