「シリコンバレーへ行くべきですか」という質問が流行っているらしい。私も何人かの人に訊かれた。人それぞれ事情がちがうだろうし、どちらにした方がよいかのアドバイスはするつもりはないけれど、@shibataismさんの「無責任に応援します」というコメントに同感する。情報を集めて、色々な人の意見や話を聞いて、それを自分なりに咀嚼して、あとはビジョンのままにやるといいと思う。状況は刻々とかわるから、前例がなくてもうまくいくかもしれないし、前例があってもだめになるかもしれない。
ただ、考えた末にシリコンバレーに来ることになったら、人との出会いを大切にすることだと思う。
Paul Grahamのエッセイに、"How to be Silicon Valley"(日本語訳「シリコンバレーが出来るには」)というのがある。他の場所にシリコンバレーを複製するにはどうしたらよいのかという問に対して、結局、人が一番大切なのだというコンテンツ。
「必要なのは適切な人たちだ。シリコンバレーからバッファローに適切な1万人を移動できれば、バッファローがシリコンバレーになるだろう。」
優秀な人は、他の優秀な人を惹きつける。連鎖反応が自然発生する。どのようなプロジェクトをやるかより、誰と一緒にやるかの方が大切だとはよく言われるが、プロジェクトは失敗しても、優秀な人達と仕事をしていればいつかは上手くいく可能性が高くなる。こうしてシリコンバレーは繁盛を続けてきたのだ。
シリコンバレーには、本当に才能に溢れて面白い人間が集まっている。私は自分の人生で知り合って刺激を受けた「凄い人」というのは、ほぼ全員シリコンバレーに来て出会った。もっとずっと若い頃に彼らと出会うことができていたら、自分の人生はどのようになっていただろうとさえよく思う。東京やほかの都市にも面白い人は大勢いるが、人が多いから出会うのが難しかったりもする。シリコンバレーの場合は、同じ志をもった人たちが一箇所に集まってきていて、テクノロジー系の職場で働けばギークが集まっているから気の合う面白い人に遭遇しやすい。世界中からやってきた人間で構成されているので、考え方や発想に多様性があるのもその環境を更に特異な場所にしている。
だから、シリコンバレーに来ることになったら、人との出会いを大切にしていれば、たとえプロジェクトや仕事で失敗して日本に帰ることになったとしても、そういう人たちから学んだことを必ずどこかで活かすことができるはず。
つい最近、ある集まりで知り合った人と、シリコンバレーって面白くて優秀な人に会えますよね、変人が多いですよね、という話になった。私が「変人というのはここでは賛辞のことばですよね。」というと、「そういう人とは友達になれそうですね。」という会話の流れでお友達になった人がいる。ジョブズも変人だったし、ザッカーバーグも変人。シリコンバレーを訪れる人は、兎に角、人との出会いを大切に、そしてどんな変人に出逢えるかを楽しみにして来てほしい。
1 comment:
心を洗われるポストでした。
Post a Comment